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2011年5月12日木曜日

地方自治法の一部を改正する法律(平成23年法律第35号)の例規への影響

【平成23年8月8日施行日追記】

平成23年8月29日追記

【平成24年4月25日施行日追記】

 

  昨年度から審議されていた、地方自治法の一部を改正する法律(平成23年法律第35号)が公布されました。
公布日平成23年5月2日
施行日公布の日から3月以内で政令で定める日とされています。

→ 施行日は、平成23年8月1日となりました。(地方自治法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成23年政令第234号) / 平成23年7月29日官報号外第165号)

→ 附則第1条ただし書の施行日は平成24年5月1日となりました。(地方自治法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(平成24年政令第136号) / 平成24年4月25日官報第5788号)

同時に「地方自治法施行令の一部を改正する政令(平成24年政令第137号)」が公布され(施行日はやはり平成24年5月1日)、政令が整備されています。

<改正の概要>
地方自治法の一部を改正する法律案の概要

  地方公共団体の組織及び運営について、その自由度の拡大を図るとともに、直接請求の制度についてその適正な実施を確保するために必要な改正を行う。

 
1 地方公共団体の自由度の拡大を図るための措置

(1)議員定数の法定上限の撤廃
  地方公共団体の議会の議員定数について、上限数を人口に応じて定めている規定を撤廃する

(2)議決事件の範囲の拡大
  法定受託事務に係る事件※についても、条例で議会の議決事件として定めることができることとする。
※ 「国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすること が適当でないものとして政令で定めるもの」を除く。
(3)行政機関等の共同設置
  行政機関等※について、共同設置を行うことができることとする。
     ※ 行政機関等とは
  • 議会事務局(その内部組織)
  • 行政機関
  • 長の内部組織
  • 委員会又は委員の事務局(その内部組織)
  • 議会の事務を補助する職員

(4)全部事務組合等の廃止
  特別地方公共団体のうち、全部事務組合、役場事務組合及び地方開発事業団について、これを廃止する。
(5)地方分権改革推進計画に基づく義務付けの廃止
  地方分権改革推進計画に基づき、地方公共団体に対する義務付け※を撤廃する。
         ※ 撤廃する義務付け 
  • 市町村基本構想の策定義務
  • 内部組織条例の届出義務
    (都道府県→総務大臣、市町村→都道府県知事)
  • 予算・決算の報告義務 (同上)
  • 条例の制定改廃の報告義務(同上)
  • 広域連合の広域計画の公表・提出義務
    (広域連合→組織する地方公共団体の長並びに総務大臣又は都道府県知事)
  • 財産区の財産処分等の協議義務
    (財産区等→都道府県知事)

2 直接請求制度の改正
(1)直接請求代表者の資格制限の創設
  平成21年11月18日の最高裁判決※を受け、地方自治法において、次の者について直接請求代表者の資格制限を設ける。
  • 請求に係る地方公共団体の選挙管理委員会の委員又は職員
  • 選挙人名簿に表示をされている者(選挙権の停止・失権、転出)
  • 選挙人名簿から抹消された者(死亡、国籍喪失等)
 
※ 地方自治法施行令の各規定のうち、公職選挙法の規定を準用することにより請求代表者の資格を制限している部分は、その資格制限が請求手続にまで及ぼされる限りで無効であると判示したもの。
(2)署名に関する罰則の追加
  地位を利用して署名運動をした公務員等に対する罰則を新たに設ける。

3 施行期日

    公布後3月以内において政令で定める日※

※ ただし、議決事件の範囲の拡大の例外(第96条第2項の改正)は公布後1年以内において政令で定める日
総務省|国会提出法案 > 平成22年3月29日地方自治法の一部を改正する法律案 概要(PDF)

 

<例規への主な影響>
この改正により、次のような例規への影響が見込まれます。
  • 議員定数の法定上限(第91条第2項)の撤廃
    •   市町村の議員定数上限の根拠規定である地方自治法第91条第2項及び第3項が削られたため、議員定数条例等において同項を引用している場合には、その箇所を削る改正が必要となります。
        なお、同時に第91条第7項(市町村の廃置分合を行う際の議員定数)に項ずれが生じますが、同項に基づいてなされた告示は新自治体発足後にはその役割を終えており、改正の必要は無いと考えられます。

      <改正が必要と思われる例規の例及び改正案例>
       
      ◆議員定数条例
        ○○市議会議員の定数は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第91条第1項及び第2項の規定により、18人とする。

       
  • 全部事務組合(第3章第4節)、役場事務組合(第3章第5節)及び 地方開発事業団(第5章)の廃止
    •   全部事務組合、役場事務組合及び地方開発事業団 の各制度が全て削られ、廃止となったため、例規中でこれらにつき規定している箇所を改正する必要があります。

      <改正が必要と思われる例規の例及び改正案例>
       

      ◆税条例
      ◆開発事業指導要綱
      (定義)
      第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
            (略)
      (14) 都道府県等 国又は都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村、都道府県若しくは都道府県*、指定都市等若しくは事務処理市町村がその組織に加わっている一部事務組合、広域連合、全部事務組合、役場事務組合若しくは港務局若しくは都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村が設置団体である地方開発事業団をいう。
      *の箇所は、改正法附則における都市計画法の改正に合わせたものです。

      ◆農地保有合理化事業規程
      ◆地方職員共済組合定款
       
  • 市町村基本構想の策定義務(第2条第4項)の撤廃
    •   基本構想策定義務の根拠規定である地方自治法第2条第4項が削られるため、例規において同項を引用している場合には、その箇所を適宜改正する必要があります。
        「基本構想」について残しつつ改正する場合、一つの案としては、従来の法の規定をそのまま踏襲し、「〇〇市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るために定めた基本構想」のようにすることが考えられます。
        なお、まちづくり条例等で既に基本構想について規定されている場合には、根拠規定をその条例に置き換えることも考えられます。
        また、新たに条例による議決事件とする(地方自治法第96条第2項)ことで、今後も議会の議決事件としていくことも考えられます。

      <改正が必要と思われる例規の例及び改正案例>
       
      ◆まちづくり条例
      (定義)
      第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
      (1) 基本構想
        地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第4項の規定に基づき定めた〇〇市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るために定めた基本構想をいう。
                          (以下略)
                      
      ◆開発行為等の手続等に関する条例
      ◆総合計画審議会条例
      ◆企業誘致促進条例
      ◆附属機関に関する条例
      ◆地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件を定める条例
      ◆議会基本条例
      ◆廃棄物の処理及び清掃に関する条例
      ◆開発指導要綱
       
  • 条例(第252条の17の11)・内部組織条例(第158条第3項)の制定改廃の届出義務の撤廃、
    予算(第219条第2項)・決算(第233条第6項)の報告義務の撤廃、
    広域連合の広域計画の公表・提出義務(第291条の7第2項から第4項まで)の撤廃、
    財産区の財産処分等の協議義務(第296条の5第2項)の撤廃
    •   これらの義務について、例規中で明確に規定していることはあまり無いようですが、内規等においてその手続きを規定していたような場合には、手続きを廃止する必要があります。
  • 直接請求代表者の資格制限の創設(第74条第6項の追加)
    •   第74条に新たな第6項が追加されることで、旧第74条第6項から第8項までが繰り下がります。これらの規定は住民投票条例等に引用されているため、当該箇所の改正が必要となります。
        
      <改正が必要と思われる例規の例及び改正案例>
            
      ◆住民投票条例
      (住民投票の請求又は発議)
      第4条 投票資格者は、町政に関わる重要事項について、その総数の5分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、町長に対して書面により住民投票を請求することができる。
      2 前項に規定する署名に関する手続等は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第6項から第8項まで第74条第7項から第9項まで、第74条の2第1項から第6項まで及び第74条の3第1項から3項までの規定の例によるものとする。
                          (以下略)

      ◆住民投票条例施行規則
         
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)の条項ずれ
    •   改正法の附則において「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)」が改正され、同法第6条第5項が繰り上がるため、例規において同項を引用している箇所を改正する必要があります。
       
      <改正が必要と思われる例規の例及び改正案例>
       
      ◆廃棄物の処理及び清掃に関する条例
      (多量の一般廃棄物の種別および範囲)
      第8条 廃掃法第6条第5項第6条第4項の規定により、市長が一般廃棄物を運搬すべき場所および方法を指示することができる多量の一般廃棄物は、次の各号に定める種別につき、当該各号に定める範囲のものとする。
      (1) ごみ 1日につき平均排出量が10kg以上
      (2) し尿 1日につき平均排出量が18l以上
      (3) その他一般廃棄物で市長が必要と認めるもの
            
  なお、平成22年度の税条例改正参考例において、「地方開発事業団」 の記述を削る改正の施行日が、
地方自治法の一部を改正する法律(平成22年法律第 号)の施行の日
とされ、法律番号が空欄になっていました。
  今回改正法律が公布されたことで、法律番号を「平成23年法律第35号」と補充・訂正する必要があります。未公布だった法律番号の訂正・補充の場合、「改正」の必要はありません。(参議院法制局 法制執務コラム集「法律番号」

            

《資料》



      《この改正に関し参考にさせていただいた記事》

                     

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