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2010年10月21日木曜日

貸与奨学金の返還免除を要綱等で定めている場合

  9月に、次のような新聞記事が掲載されました。

  全国的な看護師不足が深刻化する中、看護学生に対し、独自の奨学金制度を設ける兵庫県内の公立病院が増えている。奨学金は貸与だが、その病院に就職すれば返還を免除することで、看護師の“取り込み”を図る狙い。だが、返還免除について、条例化をしないまま運用している病院もあり、県は「地方自治法上の権利放棄に当たり、議会の議決を経た条例化が必要」と指摘している。

 神戸新聞|社会|看護学生に独自奨学金、相次ぎ導入 県内公立病院

  地方公共団体が行う奨学金・補助等が貸与である場合、その返還請求権が債権として存在します。

  また、地方自治法第96条第1項第10号において、地方公共団体の権利の放棄は、法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがない限り、議会が議決せねばならないとされています。

  そこで、奨学金の返済免除は、「債権の放棄」に該当するため、これを要綱で定めるのみで、免除の際に議決をしないことは、地方自治法第96条第1項第10号に反することになります。

  したがいまして、奨学金・補助等を貸与とした場合で、返済の免除を行うときには、条例の規定をもって返済の免除を定めるか、免除を行う都度、議会の議決をする必要があります(地方自治法施行令第171条の7(免除)に該当する場合を除く。)。

<改正あるいは条例での制定が必要と思われる例規の例>

◆市立看護専門学校奨学金貸付要綱

◆保健師等修学資金補助交付要綱

《参考》

地方自治法第96条第1項第10号
第九十六条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
十 法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。
地方自治法施行令第171条の6、第171条の7
(履行延期の特約等)
第百七十一条の六 普通地方公共団体の長は、債権(強制徴収により徴収する債権を除く。)について、次の各号の一に該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
一 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
二 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
三 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
四 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
五 貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従つて第三者に貸付けを行なつた場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第一号から第三号までの一に該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。
2 普通地方公共団体の長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(次条において「損害賠償金等」という。)に係る債権は、徴収すべきものとする。
(免除)
第百七十一条の七 普通地方公共団体の長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から十年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
2 前項の規定は、前条第一項第五号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係る債権で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。
3 前二項の免除をする場合については、普通地方公共団体の議会の議決は、これを要しない。

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