社会保険庁を廃止し、公的年金業務を日本年金機構に行わせることとする、日本年金機構法(平成19年法律第109号)が公布されています。
公布日は平成19年7月6日、
施行日は平成22年1月1日です。(平成20年12月19日政令第387号によります。)
<改正理由>
政府管掌年金事業の適正な運営及び政府管掌年金に対する国民の信頼の確保を図るため、社会保険庁を廃止するとともに、日本年金機構を設立し、その業務運営の基本となるべき事項等を定める必要があるため。
<改正の概要>
◇日本年金機構法(法律第一〇九号)(厚生労働省)
1 総則等(一) 目的日本年金機構(以下「機構」という。)は、業務運営の基本理念に従い、厚生労働大臣の監督の下に、厚生労働大臣と密接な連携を図りながら、政府が管掌する厚生年金保険事業及び国民年金事業(以下「政府管掌年金事業」という。)に関する業務等を行うことにより、政府管掌年金事業の適正な運営並びに厚生年金保険制度及び国民年金制度(以下「政府管掌年金」という。)に対する国民の信頼の確保を図り、もって国民生活の安定に資することを目的とすることとした。(第一条関係)(二) 基本理念機構は、その業務運営に当たり、政府管掌年金が国民の共同連帯の理念に基づき国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきものであることにかんがみ、政府管掌年金事業に対する国民の意見を反映しつつ、提供するサービスの質の向上を図るとともに、業務運営の効率化並びに業務運営における公正性及び透明性の確保に努めなければならないこととした。(第二条第一項関係)(三) 役職員機構の役員の職務、権限等について定めるほか、役職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなし、役員の報酬等又は職員の給与等は、その役員の業績又は職員の勤務成績が考慮されるものでなければならないこととした。(第一二条及び第二〇条~第二二条関係)(四) 服務役職員の服務は、国民の共同連帯の理念に基づき設けられた政府管掌年金において、国民の信頼を基礎として納付された保険料により運営される政府管掌年金事業の意義を自覚し、強い責任感を持って、誠実かつ公正にその職務を遂行し、国民の信頼にこたえることを本旨としなければならないこととしたほか、役職員の秘密保持義務、機構が作成する制裁規程について所要の規定を整備することとした。(第二三条~第二六条関係)2 業務(一) 業務の範囲等機構は、1の(一)の目的を達成するため、厚生年金保険法、国民年金法、児童手当法、健康保険法及び船員保険法(以下「厚生年金保険法等」という。)の規定による権限に係る事務等を行うこととした。(第二七条関係)(二) 業務の委託等機構は、厚生労働大臣の定める基準に従って、その業務の一部を委託することができることとするほか、委託を受けた者等の秘密保持義務に関し所要の規定を設けることとした。(第三一条関係)(三) 中期目標等厚生労働大臣は、中期目標を定め、これを機構に指示するとともに、機構は、中期目標に基づき、当該中期目標を達成するための中期計画等を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならないこととするほか、厚生労働大臣は、機構の事業年度ごとの業務の実績及び中期目標の達成状況について、評価を行わなければならないこととした。(第三三条~第三七条関係)3 財務及び会計(一) 財務諸表等機構は、毎事業年度、財務諸表を作成して厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならないこととするほか、財務諸表等について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならないこととした。(第四一条及び第四二条関係)(二) 交付金政府は、予算の範囲内において、機構に対し、その業務に要する費用に相当する金額を交付することとし、その交付に充てるための財源の国庫負担又は保険料の別ごとの内訳及び当該財源の内訳に対応した交付金の使途を明らかにすることとした。(第四四条関係)4 監督等(一) 監督厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、機構に対し検査等を行うことができることとし、機構の業務又は会計が法令等に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、機構に対し、是正のため必要な措置をとるべきことを命ずることができ、また、業務実績の評価の結果等により必要があると認めるときは、機構に対し、業務の運営の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができることとした。(第四八条~第五〇条関係)(二) 罰則機構の役職員等に対する罰則に関し所要の規定を設けることとした。(第五七条~第六〇条関係)5 附則(一) 検討政府は、この法律の施行後三年を目途として、国民年金の保険料の納付の状況、機構における業務の効率化及び改善の状況等を勘案して、機構の組織及び業務の存続の必要性の有無を含めた在り方その他政府管掌年金事業の運営に関する全般的な検討を行い、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずることとした。(附則第二条関係)(二) 基本計画政府は、社会保険庁長官から厚生労働大臣及び機構への業務の円滑な引継ぎを確保し、政府管掌年金事業の適正かつ効率的な運営を図るため、あらかじめ、中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聴いた上で、機構の当面の業務運営に関する基本計画を定めることとした。(附則第三条関係)(三) 設立委員等厚生労働大臣は、設立委員を命じて、機構の設立に関する事務を処理させることとし、設立委員は、基本計画に基づき、機構の職員の労働条件及び機構の職員の採用の基準を定めなければならないこととした。(附則第五条関係)(四) 職員の採用(1) 設立委員は、社会保険庁長官を通じ、職員に対し、機構の職員の労働条件及び採用の基準を提示して職員の募集を行うこととし、設立委員から採用する旨の通知を受けた者については、機構の成立の時において、機構の職員として採用されることとした。(附則第八条第一項~第三項関係)(2) 設立委員は、機構の職員の採否を決定するに当たっては、人事管理に関し高い識見を有し、中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者からなる会議の意見を聴くこととした。(附則第八条第五項関係)(五) 厚生年金保険法、国民年金法、児童手当法、健康保険法及び船員保険法の一部改正機構が2の(一)の業務を行うに当たって、次に掲げる規定の整備を行うこととした。(附則第一九条~第二一条、第二三条及び第二五条関係)(1) 社会保険庁の廃止に伴い、厚生年金保険法等における社会保険庁長官の権限を厚生労働大臣の権限とした上で、その権限に係る事務の一部を機構に行わせることとした。(2) 機構は、(1)による権限に係る事務のうち、滞納処分等その他の権限に係る事務を効果的に行うため必要があると認めるときは、厚生労働大臣自らその権限を行使するよう求めることができ、厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、当該権限の全部又は一部を自ら行うこととした。(3) 厚生労働大臣は、(2)において自ら行う滞納処分等その他の処分に係る納付義務者が、処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため保険料等の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、財務大臣に当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができることとした。(4) (3)において委任を受けた権限等について、財務大臣は国税庁長官に委任し、また、国税庁長官は国税局長に、国税局長は税務署長に、政令で定めるところにより委任することができることとした。(5) 機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ厚生労働大臣の認可を受けるとともに、厚生労働大臣の認可を受けた滞納処分等実施規程に従って、徴収職員に行わせなければならないこととした。(6) 厚生労働大臣は、厚生年金保険法等における厚生労働大臣の事務について、その一部を機構に行わせることとし、機構が事務を行うことが困難等となったと認めるときは、当該事務の全部又は一部を自ら行うこととした。(7) 厚生労働大臣は、会計法の規定にかかわらず、政令で定める場合における保険料等の収納を、機構に行わせることができることとした。(六) 施行期日この法律は、一部の規定を除き、平成二二年四月一日までの間において政令で定める日から施行することとした。
<例規への主な影響>
この法律により、社会保険庁が廃止され、社会保険庁が行っていた業務は日本年金機構が、社会保険庁長官が行っていた業務は厚生労働大臣が行うことになります。
また、「地方社会保険事務局」は「地方厚生局」となり、「社会保険事務所」は「年金事務所」となります。
このため、例規において「社会保険庁」等を規定している箇所については、適宜改正が必要になると考えられます。
法の施行日は平成22年1月1日ですので、平成20年末に向け、改正の準備をすることが望ましいと思われます。
<改正が必要と思われる例規の例>
◆戸籍に関する証明手数料の免除に関する条例
◆税条例施行規則
◆精神障害者訪問介護員派遣事業に関する条例施行規則
◆国民健康保険介護支援事業実施要綱
◆年金受給権者の現況届等に係る生存証明書等の無料扱いに関する要綱
◆診療報酬明細書等開示の取扱要綱
◆電子計算機処理データ保護管理規程
◆事務決裁規程
《改正案例》
戸籍に関する証明手数料の免除に関する条例
第1条 戸籍に関する証明中次に該当する場合は、その証明手数料を無料とする。(1)~(5) 略(6) 国民年金法(昭和34年法律第141号)第104条の規定に基づき、(7)~(11) 略社会保険庁長官、地方社会保険事務局長若しくは社会保険事務所長厚生労働大臣又は被保険者、被保険者であった者若しくは受給権者に対して、被保険者、被保険者であった者若しくは受給権者又は母子年金若しくは準母子年金支給若しくはその額の加算の要件に該当する子、孫若しくは弟妹の戸籍に関し、証明を行うとき。
*日本年金機構法附則第20条の国民年金法の一部改正によります。
第百四条中「社会保険庁長官、地方社 会保険事務局長若しくは社会保険事務所長」を「厚生労働大臣」に改める。
税条例施行規則
(区民税にかかる申告書等の様式)第5条 区民税にかかる次の表の左欄に掲げる申告書等の様式は、それぞれその右欄に掲げるところによる。
申告書等の種類
様式
(1) 区民税都民税申告書(条例第23 条第1項の申告書) 別記第6号様式 略 略
精神障害者訪問介護員派遣事業に関する条例施行規則
(派遣の申請)第五条 条例第4条の規定による訪問介護員の派遣を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、○○町精神障害者ホームヘルパー派遣(変更)申請書(第5号様式。以下「申請書」という。)により申請するものとする。ただし、町長が緊急を要すると認める場合にあっては、口頭で申請し、申請書の提出は、事後であっても差し支えないものとする。2 前項の申請は、指定事業者を経由して申請することができるものとする。3 申請書には、次の各号に規定する書類を添付するものとする。一 精神障害者保健福祉手帳又は精神障害を支給事由とする年金証書の写二 課税台帳の閲覧に関する同意書及び社会保険庁日本年金機構等関係機関への照会に関する同意書
国民健康保険介護支援事業実施要綱
(助成対象機器等)第4条 助成対象となる介護機器は、シルバーマーク認定業者であって、かつ、全国福祉機器・介護用品レンタル事業協議会の会員が取り扱う介護機器のうち社会保険庁厚生労働大臣が指定した特殊ベッド、車椅子、移動用リフト、歩行補助器、床ずれ防止エアー発生調節器及び認知症老人徘徊感知器(搬入費、搬出費、工事費を含む。)とする。*厚生労働大臣が定める福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与に係る福祉用具の種目(平成11年厚生省告示第93号)による指定を指していると思われます。
診療報酬明細書等開示の取扱要綱
(事務処理方法)第6条 開示の事務処理方法は、次により処理するものとする。(1) 被保険者等からの開示請求の場合ア 略イ 請求者の本人確認方法 請求者の本人確認は、次に掲げる書類(郵送による請求の場合は、その写し)の提出又は提示を求めて確認すること。なお、提示をもって確認した場合には、原則として提示された書類の写しを取るものとし、その際には本人の了解を得ること。また、郵送により開示請求を行う場合は、次に掲げる書類の写しに加えてその者の住民票の写し又は外国人登録原票の写し(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)を提出させること。(ア) 被保険者による開示請求の場合 次に掲げる書類で請求書に記載された氏名、住所(居所)が同一であることを確認すること。また、婚姻等によって、開示請求時の氏名が診療時の氏名と異なる場合には、旧姓等が確認できる書類の提出又は提示を求めて確認すること。a 行政機関等が発行しているもの 運転免許証、社会保険庁全国健康保険協会が発行する健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証、船員保険被保険者証、船員保険被扶養者証を含む。)、国民健康保険被保険者証、共済組合員証、外国人登録証明書、住民基本台帳カード(住所が記載されているものに限る。)、旅券(パスポート)、年金手帳(基礎年金番号通知書)、年金証書、共済年金証書、恩給証書等*政府管掌健康保険が全国健康保険協会に移行したときに改正されるべきだった内容と思われます。
(定義)第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。(1) 現況の届け等 年金受給権者が毎年一定期間内に受給権の確認のために、社会保険庁日本年金機構等の関係機関に提出すべきこととされている現況の届け、身上報告及び定期届をいう。(2)社会保険庁日本年金機構等社会保険庁、社会保険事務所日本年金機構、総務省人事・恩給局、厚生労働省社会・援護局、年金基金、共済組合及び共済組合連合会をいう。*改正後厚生年金保険法第98条により厚生労働大臣の事務となった届出の受理を、同法第100条の4第1項第35号により日本年金機構に委任しています。
職員共済組合電子計算機処理データ保護管理規程
別表
番号
業務名
関係機関
1 基礎年金支払代行業務 地方公務員共済組合連合会
社会保険庁日本年金機構2 基礎年金番号情報交換業務 地方公務員共済組合連合会
社会保険庁日本年金機構3 介護保険料特別徴収業務 地方公務員共済組合連合会
市町村4 住民基本台帳法の規定による本人確認情報交換業務 財団法人地方自治情報センター 5 厚生年金保険の被保険者等である間の年金の支給停止に係る情報交換業務 地方公務員共済組合連合会
社会保険庁日本年金機構日本私立学校振興・共済事業団
事務決裁規程
(決裁区分)第8条 市長が決裁する事項及び副市長、部長、課長及び出先機関の長が専決できる事項で、各課(経営改革室を含む。)及び各出先機関(以下「各課等」という。)に共通する事務に係る事項の決裁区分は、別表第2のとおりとし、各課等の個別事務に係る事項の決裁区分は、別表第3のとおりとする。別表第3(第8条関係)
(略)
26 保険年金課に関する事項
(略) (略) (略) (略) (略) (略) (18) 国民年金被保険者の資格等の届出を審査し、社会保険事務所長年金事務所長に送付すること。
○ (19) 国民年金受給権者からの裁定請求等を審査し、地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長地方厚生局長又は年金事務所長に送付すること。
○(略) (略) (略) (略) (略) (略)
《参考》
関係法令
関連資料
○日本年金機構法案
(平成19年3月13日提出)・法律案要綱(PDF:157KB) ・法律案案文・理由(PDF:443KB)
・法律案新旧対照条文(目次(PDF:66KB)、本文1(PDF:430KB)、本文2(PDF:282KB)、本文3(PDF:439KB))
・参照条文(1~65ページ(PDF:506KB)、66~130ページ(PDF:493KB)、全体版(PDF:733KB))


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